ノ・スンテクと小崎哲哉の対談。今回、スンテクが展示する「reallyGood Murder」を通して、軍事産業や戦争・紛争、そこで生きる人々など、そのイメージの背後に横たわる複雑な問題について話し合います。イベントは韓国語と日本語で行われます。
[スピーカー]
ノ・スンテク
小崎哲哉–『REALTOKYO』『REALKYOTO』発行人兼編集長
[会場]
ギャラリー素形
>展示情報
[参加費]
無料
[ご予約用プログラム名]
ノ・スンテクと小崎哲哉によるトーク
時間は後日発表いたします
ノ・スンテク
1971年ソウル生まれ。北朝鮮と韓国にて作品を制作。スンテクが考察するのは、朝鮮戦争がいかに存続し、そして今日の韓国社会においてその状況が強化されているかということである。彼が熱心に注視するのは、“分断の権力”の中にあるギャップだ。この分断の権力は、朝鮮戦争と半島の分断が動かざる歴史的事件の一部であるとし、物事を自らの優位へと解釈するのだ。それは、北朝鮮および韓国を動かし、また同時に機能不全に陥らせる現代のモンスターである。スンテクはこのモンスターからにじみ出るもの全て―吐きだされた濃い血、狂気と沈黙、利益と損害、爆笑と冷笑な微笑、停止と流れ―をイメージと文章の形式で取り上げ、異化させる。このような例外的な状態が永遠のものだとモンスターに夢想させておくようなこの分裂状態に関しての、今日における政治学を、スンテクは明らかにしようと試みるのだ。
小崎哲哉
1955年東京生まれ。カルチャーウェブマガジン「REALTOKYO」と「REALKYOTO」発行人兼編集長。
日本とアジア太平洋のアートシーンの包括を目的とした日英バイリンガルの現代アート雑誌「ART iT」前発行人兼編集長。彼は1989年にカルチャーマガジン「03 Tokyo Calling」の立ち上げに副編集長として関わっており、1996年にはインターネットワールドエキスポの日本ゾーン・テーマパビリオン「Sensorium」、2005年愛知万国博覧会テーマ普及誌『くくのち』のエディトリアルディレクターを務める。1999年に「REALTOKYO」、2003年に「ART iT」、2007年には「REALKYOTO」を創刊する。彼の制作物には、CM-ROMブック『マルチメディア歌舞伎』や、文化人類学者のクロード・レヴィ=ストロース氏、作家の池澤夏樹氏、映画監督のアッバス・キアロスタミやその他の寄稿による写真集『百年の愚行』などがある。ART iT社を2010年に退社し、2013年愛知トリエンナーレではパフォーミングアーツ統括プロデューサーに就任した。2014年『百年の愚行続』を著作、出版。現在は京都造形芸術大学客員教授。