9

パリを拠点に活動するヨシダキミコの作品制作は、全てキミコがモデルとなったセルフポートレートのスタイルをとっている。同じサイズに、同じ構図、同じ主題、同じライティングで撮影され、一切デジタル加工されていない写真——自らを絵画的かつ装飾的な構成要素の一部とし、“消滅の儀式”を実践しているという。これらシリーズ作品に見られるどこにも属することのないポートレートはヨーロッパで高く評価されてきたが、日本では初の本格的な個展となる。
また本展では、会場となった呉服商野口家の京友禅を表具師・宇佐美直八氏が掛け軸に仕立てるなど京の伝統技術とコラボレーションした特別作品が、自らも伝統技術とのコラボレーションを積極的に行うGUCCIの支援によって制作される。そして野口家住宅こと花洛庵は、茶人・作庭家でもあった小堀遠州が江戸前期に晩年をすごした伏見奉行屋敷を移築したもので、通常一般公開されていないが、今回は、その一部と庭園を背景にした展示もみどころとなる。

2ヨシダ キミコ[ 絵画(パオロ・ウッチェロ画サン・ロマーノの戦い)]、セルフポートレート、2010

ヨシダ キミコ[ 絵画(パオロ・ウッチェロ画サン・ロマーノの戦い)]、セルフポートレート、2010 ©Kimiko Yoshida

⑨花洛庵(野口家住宅)

〒604-8233京都市中京区油小路通四条上ル藤本町
地下鉄烏丸線「烏丸駅」24番出口から徒歩8分、
阪急「大宮駅」東出口より徒歩6分

OPEN:10:00-18:00
CLOSED:4/20(月)、27(月)、28(火)

会場個別入場料:一般、学生(大学・高校・専門生)どちらも 500円

[関連プログラム]

4/19 11:00-12:00

noguchi© 2015 Naoyuki Ogino